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クロールの「押さえ」と「キャッチ」のテクニック

クロールの「押さえ」と「キャッチ」のテクニック

クロールの押さえとは?

クロールのキャッチと共に「押さえ」「水を押さえる」という言葉をよく聞く事と思います。では、この押さえは正確にはどういう事なんでしょうか。

辞書で「押さえ」を調べると、

・押さえるものに使うもの。おもし。(例 押さえに文鎮を置く)

と掲載されています。水泳における「押さえ」は人の力で水を押さえるのですが、力強く押さえるのではなく「水にうまく体を乗せていく。」(=ボディーポジションを高く維持する)という言葉が一番近いように思います。今回は押さえについて深く掘り下げて行きたいと思います。

初級者と上級者の押さえの違い

以下のアニメーションはどちらも4コマ目から右手の押さえが始まるのですが、初級者(A)は入水後に急激に加速をさせていることが分かると思いますが、大抵の方がこのように水をとにかく「強く掻いて」しまっています。

対して上級者(B)は初級者(A)がフィニッシュに達する9コマ目にまだ腕が肩のライン上にあり、押さえに時間がかかっていることがわかります。ではなぜこのようなスピードの差が生まれるのでしょうか。

※わかりやすいように速度を落としています。

水を動かさないようにする=最も効率的なストローク

力の使い方」で解説したように、最も効率的なストロークは水をできるだけ動かさず手の位置に体を持っていく事です。慣性の法則で「静止している物体はそのまま止まり続ける。」という事を中学校?で習いました。水ももちろんそうで、その場所に静止しようとしているのですから、できれば腕全体でできるだけそこから動かさないようなストロークができれば、毎回コースロープを引っ張るように前に進んで行く事ができるわけです。

逆に水を後ろに押せば押すほど水は後ろに流れていく訳ですから、その流れた水を押すために更に速いスピードで後ろに押さなければならなくなる訳です。(=水を追いかけ続けるようなストロークになってしまいます。)

では上記アニメを実際に動かしてみましょう。上級者(B)のストロークは手が後ろに動かず、押さえからキャッチの間(14〜20コマ)ほぼ同じ場所に降りていくのが分かると思います。この同じ場所というのがポイントで、抵抗とはなりません。ある意味、黄色い縦のライン(水の壁を作るよう)に手を這わせていくようなイメージです。

※わかりやすいように速度を落としています。

つまり、押さえからキャッチにかけて「手」「前腕」「上腕」全てを使って水を後ろに効率よく押す為の準備をしているわけです。腕が肩の少し前に来た19コマ付近から加速し始め、腕全体で水を後方に押し出します。これが最も体が前に進む方法となります。(=ハイエルボーを目指す理由でもあります。)

初級者の方は、とにかく「水を掻こう」としてしまします。手が前に伸びた状態からスピードを上げて掻いてしまうと腕が斜めで水も掴めず、相当な力が入ってしまい肩を痛める原因になります(止まっている水を動かすので15〜16コマ目が肩への負担が最も大きくなります)。例えて言うと、25mで20回ストロークする人は、腕を伸ばしたまま扉を20回開けたり閉めたり繰り返す事に似ています。一度肘を曲げずに扉を開閉してみていただければ、軽い扉でもかなり肩に負担がかかるのが分かると思います。プールに入って25mで終える方はいらっしゃらないと思いますので、ご自分が思っている以上に肩に負担をかけている可能性も出てきます。

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