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クロール キャッチアップはなぜ必要? ストロークの効率を考える

前回、キャッチアップの種類と練習方法について解説しましたが、実際に綺麗に速く泳げる人が「キャッチアップに近いストロークで泳いでいる」ので、管理人もいつもそれを真似て泳いでいます。ではなぜキャッチアップで泳ぐと効率的なのかを中級者以上向けのアニメーションC,Dについて以下の3点を詳細解説していきたいと思います。

1. ストロークの効率化(タイミング)
2. 上半身の上下動を防ぐ
3. 肩を滑らかに回転させる

ストロークの効率化

例えばアニメーションのように腕の回転が完全に前後対称の場所でストローク、リカバリーを行ったとすれば、ずっと休みなく水を掻き続ける事ができます。皆さんはこれが効率的だと思いますでしょうか。

泳ぎの中で最もスピードが出るタイミングはお腹の下から太ももにかけてフィニッシュで水を押した時ですが、一番泳ぎの中でスピードが上がっている時に前方からのストロークが始まってしまうと、それ以上にストロークスピードを上げ続けなければ抵抗になってしまいます。ストロークスピードを上げ続ける事は困難ですので、このような泳ぎは非効率と言う事になります。

皆さんはスピードスケートの500mを見たことはあるでしょうか。スタートした直後は足を小刻みに動かしてスピードを上げて行きますが、100m付近からは片足に乗っている時間が長くなります。それは、トップスピードに乗った後に、如何にスピードを落とさずに500mと言う距離を滑り切るかが大切になるからです。

水泳は壁を蹴った時が最もスピードが速い事は何度も解説していますが、そのスピードを落とさないようにゴールまで進んで行くので、スピードスケートの100m以降に似ています。

壁を蹴ったスピードを使ってアニメーションDのように1ストロークずつスピードが少し落ちたところでストロークを始めます。逆に言えば、「それまでは手を前に伸ばしたままストロークするのを待ち、なるべく力を使わずにスピードを持続できるようにストロークを継続する」ので、キャッチアップ気味の泳ぎが最も効率的と言う事になります。

初級者の方は壁をゆっくり蹴ってしまい、浮き上がりで止まった所から泳ぎの速度を上げようとするのですが、例えば自転車に乗っている時を思い出して頂ければわかりますが、止まった状態からペダルを踏み込む時が一番力がいります。その時点で、余計な力を使うような泳ぎ方になってしまっているので、「スタートが上手ければ泳ぎも上手くなる!」を参考にしていただき、根本的な考え方から変えて行きましょう。

ポイントとして、あまり力まずにリラックスしてスピードを維持していくので、いきなりは難しいかもしれません。ですが、5m持続できれば、次は8m、次は10mと少しずつ伸ばしていくことはできると思います。記事後半で解説するフィニッシュを楽に行う方法も参考にしながら、練習していきましょう!!

上半身の上下動を防ぐ

アニメーションEのような泳ぎの場合、入水後の22〜7コマ、10〜19コマで下向きのストロークが体の上下動を誘発してしまいますが、アニメーションDでは、ストロークを始める5〜10コマ、19〜23コマまでリカバリー側の腕が重しとなって体が浮き上がることを防いでくれます。

以下の2ビート動画でもキャッチアップを意識して泳いでいるので、上下動せず水平の姿勢を保ちながら泳ぐことができています。重心については、「クロール キックが沈むのは姿勢が原因」で詳しく解説していますので、こちらもご覧いただければと思います。

 

また、もう一段階レベルが高くなると、呼吸で腹筋を締めることで姿勢を維持できてしまうので、リカバリーの重みを「クロール 押さえとキャッチのテクニック」で解説した水の重みを感じた「押さえ」の補助に使えるので、水を捉える感覚を感じ取る事ができやすくなります。

私は現役時代にこの「押さえ」ができるようになってから100m自由形のベストタイムが1年かからずに5秒程伸びたのですが、上手くできるようになった時「水を押さえながら肩が前に引っ張られるような感覚」を感じた事を今も鮮明に覚えています。

肩を滑らかに回転させる

クロールの肩は以下のアニメーションのように「つづみ」のような軌跡を描きますが、上級者はローリングが高い位置で一旦止まります。リカバリーで手が前に来た勢いで再び動き始める訳ですが、10コマ目(左肩)と23コマ目(右肩)から動き始めた時に肩を大きく回すことができていれば、「ローリングはまず1軸から!」で解説したように、Xの位置から腕を落とすだけで肩を前方に伸ばしやすくなります。

この動きにはもう一つの利点があり、それはフィニッシュ動作です。フィニッシュについては1つのテーマとしてまた別に記事にしたいと思っているのですが、泳ぎは色々な動きが連動しているので、流れの中で楽なフィニッシュをおこなう方法に触れておく方がいいかなと感じましたので、簡単に解説させていただきたいと思います。

アニメーションの10〜14コマ目、24〜28コマ目を見て頂くと、ストローク側の肩が後方に動いていく事がわかります。高い位置からリカバリー側の腕を落とす事ができれば、フィニッシュ時の腕を固定するだけで「ローリングがフィニッシュ側の腕を後ろに押してくれる」ので、無理に押し切る必要がなくなります。

競泳選手であればこれに合わせて水を押す方が効率的ですが、押す力は少なくて済むでしょうし、一般の方であればアニメーションDの右手12〜14コマ、左手26〜28コマ目の形に腕を固定しておけば、無理な力を使わずに効率的なフィニッシュができます。

肩を大きく回す(=ローリングを大きくする)理由はここにもあるので、キャッチアップの意味を理解していただいてご自身の練習に取り入れて頂ければと思います。

Youtubeでも解説させていただいております。