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クロール Technique

クロール 楽に泳ぐための息継ぎのタイミング(初級者向け)

※最終更新日 2021年5月26日

前回「クロール 楽に泳ぐための息継ぎの量」では、上級者や選手ができるだけ肺に空気を取り入れ、胸を膨らませた状態で息継ぎをする事で肺がしぼまないようにし、息を吸う時に呼吸筋を使わず肺に空気を残して浮力を得ながら泳ぐ事を解説しました。

今回は「呼吸のタイミング」と言う事で、クロールはどのようなタイミングで呼吸をしていけばいいのかを解説して行きたいと思います。

呼吸の回数

皆さんは呼吸の回数をどう考えているでしょうか。運動不足解消やマスターズ大会に出る目的であるのであれば、なるべく呼吸の回数を多くしてください。息を止めると、酸欠や血圧の上昇を招くので、なかなか疲労感が抜けなかったりします。短く泳ぐ場合でも、苦しくなるような運動は控え、運動不足解消目的であれば息切れしない程度、大会出場を目指す方であっても息を止めると関節が締まって可動域がいつもよりも狭くなり怪我をしやすくなるので、呼吸を第一に運動していく事をおすすめします。

管理人は将来的にはまたマスターズ大会に出場したいのですが、今はプールに行くこともできていません。通えるようになりましたら、また400mの個人メドレーを何度も続けて泳ぎ、なるべく息切れをせずに長く速く泳げるようにまずなりたいと思っています。そうやって体を作り、以前のように肩が柔らかく関節がスムーズに動くようになってからスピードを少しずつあげて行ければと考えています。

もしこれからマスターズ大会などを目指していく方であれば、管理人のようにある程度の距離を途中休み休みでいいので、息切れせず肩関節が楽に大きく回るようになる事を目標にしてください。肩が大きく回らないうちに速く泳いでしまうと、前後のストローク長が短くなり、その泳ぎが癖になってなかなかその泳ぎから上達できなくなります。この動画のように肩が大きく回す事ができれば、速く泳いだ時でも長いストローク長を保てますし、もし何度も速く泳いだ事でストロークが短くなったとしても泳ぎを元に戻す事も難しくなくなります。

段階的な息継ぎ練習

呼吸のタイミングを習得するにはある程度段階を踏んだ練習が必要です。段階的に練習する際にも気をつけて頂きたい部分が出てきますので、一つ一つ解説して行きたいと思います。

呼吸動作の大きい片手回し・両手回し

キャッチアップスイム(入水まで肩が高い位置を保つ。腕のタイミング)

ローリングを維持する

頭を固定しながら呼吸(実際の呼吸のタイミング)

「クロールの呼吸」は「首を大きく動かす」と言うイメージを持っていませでしょうか?呼吸は泳ぎの中の色々なテクニックが絡んでくるので、難しく考えがちです。ですが、「楽に泳ぐための息継ぎの形」で紹介した以下のアニメーション「呼吸動作の大きい片手回し・両手回し」のようにただひっくり返る事ができればある程度形になります。この呼吸時に気をつけることは身体が水平になっているかどうかで、それが最初の段階でできていれば体の中心に1本の軸を通すことができるので、それだけを気をつけていただければいい訳です。

「呼吸動作の大きい片手回し」ができるようになった後に皆さんに意識して頂きたいのはキャッチアップ気味に泳ぐと言う事です。キャッチアップというと、両手を前で揃える事を言いますが、ここではリカバリー側、例えば右手が一番天井に近い位置に来た時に前に伸ばしている左側の腕を動かし始めます。リカバリー側の右手が入水した時には、左手は斜め45度の位置にあるイメージで、このタイミングはクロールを泳ぐ上で非常に重要なタイミングになるので、ここでしっかりと覚えてしまいましょう。

次にアニメーションのローリングに注目して頂きたいのですが、上級者は身体が水平になっている時間が短く、ローリングが高い位置で停止し、斜めになって泳いでいる時間が長くなります。アニメーション24コマ中の18コマ、75%が身体が斜めのまま全く動きません。感覚的にはスケートの刃のように体側が水の中を滑って進んで行くようなイメージになります。「呼吸の大きい片手回し」ができるようになっていれば、ローリングが高い状態で泳ぐことができるようになっているはずです。

本来であれば、このアニメーションのように右手も高く振り上げて頂きたいのですが、無理のない動きで怪我なく進めて行っていただければと思います。

息継ぎはローリングに頭の動きを合わせる

ローリングを高い位置で持続できるようになりましたら、息継ぎ時に「頭を固定」する意識を持つようにしましょう。息継ぎを呼吸単体で考えず、ローリングの動きに合わせます。

息を吸うまでの動作を前から見たアニメーションで表していますが、頭の動きを肩のラインと共に表示しています。19コマ目からローリングが始まり、頭の動きと肩の動きが連動しているのがわかると思います。

つまり、呼吸時に「頭を動かす必要はない」のです。呼吸をするために必死に頭を上げようと頑張ってしまっている方が多いですが、それは不必要な動作であるというのがお分かりになると思います。大きい呼吸動作を練習しておいた成果で自然な1本の軸が通った呼吸に繋がっていく訳です。

息を吸った後、呼吸を戻す動作は横からのアニメーションのように、リカバリー側の腕が4コマ目以降、肩のラインよりも前に出た所でローリングに合わせて頭を戻します。

管理人としてはこのイメージ、「頭を動かさなくても固定していれば勝手に口が呼吸の位置に到達する事」を知っているだけでも皆さんの息継ぎが変わってくると感じています。しっかりと軸を作って無駄な力を使わないように練習していっていただければと思います。

初めのうちは、なかなか口が上がってこないかもしれませんが、軸をしっかり作れているのであれば、上手くできない原因としては「身体がしっかり開いていない」と言う事がほとんどであると考えられるので、その点に気をつけながら練習を続けていただければと思います。お一人でも上達は可能であると思いますので、ぜひ上手くできるようにチャレンジして行っていただければと思います。

Youtubeでも解説させていただいております。