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Swimming.jp クロール Technique

クロール 「押さえ」と「キャッチ」のテクニック

※最終更新日 2021年8月5日

姿勢のくの字と押さえの連動

ここからが私が是非皆さんに感じていただきたい技術なのですが、「押さえ」を別の角度から見てみましょう。

以前から何度も記事にしておりますが、プールから上がる際に皆さんは体を反ってプールから上がりますか?そんなことはないですよね。もしその方が楽なら、体を壁に擦り付けてでもそうするはずです。ではなぜそうしないのか。それは、背中が若干丸くなっている方が楽に体を持ち上げられると日常生活の経験で分かっているので無意識にそうしているわけです。ということは、泳いでいる時にも体が反るよりくの字の方がストロークで楽に力を水に伝えられるはずです。

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実際にプールから上がる際、管理人の感覚では前腕と肩甲骨付近に力が入り、上腕にはあまり力が入っていないように思います。この感覚(実際に泳いでいる時には重力がないのでもう少し軽いですが)を泳いでいる最中に感じる事ができれば、腕を背中の筋肉が支えてくれるので、ストロークの力もそれほど必要では無くなります。

この前腕と肩甲骨付近にかかる力のイメージを忘れないでおきましょう。

水に体を乗せていく

上級者は入水後にグライド動作をした後、できるだけ手を前に伸ばして遠くの水を押さえようとします。そこから水を少しずつ水中に向かって押さえて行くわけですが、姿勢をくの字にする意識している事で体を浮き上がらないように固定する事ができます。

逆に体が反っていると以下の初級者のアニメーションのように押さえが効かず(そもそも押さえようとする意識もあまりないので)、反動で上下動するようになってしまう訳です。以前もお話しした通り泳いでいる時には支点がないので動きに対する反動というのが必ず付きまといます。ですが、体をくの字にする事で完全に固定する事はできないものの反動を姿勢(腹筋)で押さえ込む訳です。

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以下の画像の赤矢印のような上下動をすると上半身が持ち上がった際に重心が後ろに移り足が沈んでしまいます。体をくの字にして青矢印のように手で体全体を支えることができると、腰が沈んで行くのを防ぐ事にもつながります。(この時、前腕と肩甲骨付近にプールから上がる際と同じ力が加わります。)

手が水を押さえ、押さえている水の反発した力が体を支える事で「水の重み」となって伝わります。水が重く感じるのは「姿勢で支点を作り出している」から感じられるものであり姿勢が悪ければ感じることはできません。

キャッチとは

ここまで押さえについて解説してきましたが、キャッチは掻く準備ができた位置の事で「最も水を目一杯後方に押せる腕の形が整いました。これからこの水を逃さずにストロークを加速して行きます。」という場所になります。

これも押さえを感じられるようになってくるとそれほど急激に押す事が効率的ではない事がわかってきます。(もちろん遅すぎてもダメですが。)その重さを感じながら(維持しながら)後方に押して行きます。

「押さえ」をうまくおこなうためのポイント

この押さえの技術はそれほど難しいものではありません。ただ、初級者は特に呼吸時に体を持ち上げてしまう傾向にある(無意識に上下動している)ので、しっかりと上半身を沈める意識が必要です。

体が綺麗に水平に進んでいく状態を作れれば、押さえに必要以上の力はいりません。軽く押さえながら、前腕と背中に力が入るような形を作っていきましょう。この「形」を作る事で、キャッチ以降のストロークも省エネルギーのストロークが可能になります。(これも次の準備であり連動ですね。^^)

この体を支える姿勢と力の使い方(上記16コマ目の画像のような姿勢)は他種目のボディーポジションを高く保つ事にも繋がりますので、是非感じ取っていただきたい技術です。

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