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バタフライ Technique

うねりの大きいバタフライを推奨する理由(後編)

※最終更新日 2021年9月19日

パイクスタート

皆さんはパイクスタートという技術をご存知でしょうか。以下のアニメーションを見てください。この技術は、通常のスタートよりも高く飛び出し、重力による加速を利用して一気に前に進んで行く技術です。(深く潜るので、平泳ぎとバタフライの選手に多いスタートです。)水の中に入水した後の加速感はスタートの中でも最も速く感じます。だからこそトップスイマーも取り入れる方がいるわけです。(このアニメーションは長く見続けると、気持ち悪くなる場合がありますのでお気をつけください。)

本当に少しの加速なのかもしれません。ですが、その加速によって次のストロークのキャッチが数%程度楽になり、省エネルギーで泳ぎ続ける事が出来るのだと考えています。

ちなみにこれは、現在理想と言われるフラットバタフライとは逆行する技術です。ですが、皆さんがフラットと思われているトップスイマーの泳ぎは確実にこのパイクスタートの原理が入っていると管理人は考えています。動画の比較でも分かるように一見しただけでは分からない技術が隠されています。

トップスイマーと言えども練習中にゆったりと泳ぐ事はあるので、その時には必ず楽に前に進む技術を無意識に使って(習得して)いるはずです。これができなければ厳しい練習に耐える事も難しくなるのではないでしょうか。

この推進力は「1000mバタフライテクニックドリル」でも解説したイルカ飛びで得られます。この時のスピードを繋げる事ができれば最低限度のスピードを維持でき、そのスキルをどんどん上げていく事でスピードを加速して行く事ができます。今回の記事の動画も壁を蹴ってスピードをつけて泳いでいるわけではなくイルカ飛びから2ストローク目を掲載していますので、肩の固い方でも体に負担なくこのテクニックは使えます。次のアニメーションを見てみましょう。

 

うねりの大きいバタフライを推奨する理由(前編)」では、中級者がフラットバタフライを目指すと腰に負担がかかりやすい事は解説しましたが、次のアニメーション左上の「中級者の泳ぎ」ボタンをクリックしてください。このように入水後(1〜6コマ)にストリームラインを作る事で腰への負担が軽くなります。

ストロークを始めるタイミングは、一旦ストリームラインを作る事で体が一直線の状態のまま上半身が理想のバタフライのキャッチの位置と重なります。(左上「理想の泳ぎ」ボタンをクリックしてください。)こちらでも腰への負担が小さくなり、かつ、フィニッシュで体の位置が最高点に達するストロークが可能になります。

また、15コマ目に腕から肩のラインが一直線になっていますが、この直前に斜め上方に進みながら手を広げスカーリングを始めます。そのスカーリングを水面に近づけるように広げていくと、前からの抵抗によって肩入れのストレッチをする動作となり、泳ぎながらにして無理なく肩を柔らかくしていく事が可能になります。(この点については、管理人が実感して掴んだ感覚です。)

うねりの推進力を得られないままフラットバタフライを習得しようとしても「推進力のない、ただうねりのない泳ぎ」になってしまい、余計なエネルギーを使う泳ぎになってしまいます。

であるならば、まずはうねりの大きいバタフライで「入水後の推進力を感じて頂き、水の中で徐々に肩を柔らかくしながら選手のような泳ぎを段階的に目指してもらいたい」というのがSwimming.jpの考えるバタフライ習得方法になります。

Youtubeでも解説動画をアップしています。