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バタフライ Technique

バタフライ バサロでドルフィンキックのレベルを向上する

※最終更新日 2020年5月17日

今回は、ある程度ドルフィンキックができるようになった方向けに、さらにレベルアップするためのバサロキックでの練習方法を解説していきたいと思います。

よく、ドルフィンキックは「胸から打つ」といいますが、「どうやって胸から打つの?」という疑問が生じます。言葉だけではなかなか説明が難しいので、3Dアニメーションを使ってバサロキックの分析を行った後、胸から打つ方法について解説していきたいと思います。

バサロキックの分析

以下のアニメーションを見てください。Aが中級者のバサロキックですが、上級者でもこのようなキックをされる方はたくさんいらっしゃいます。Bはトップアスリートのバサロキック(ゆったり泳いでいる時)ですが、Aのようなキックができている人であれば、Bのようなキックをする事はそれほど難しくなく、しかも今までより疲れずに強いキックを打つ事ができます。

腕の動きが大きいと思うかもしれませんが、初めのうちはこの程度大きくおこなった方がうねりは作りやすいです。では早速解説していきたいと思います。

 

骨盤の動きボタンをタップしてください。体の中心のオレンジの線で囲まれている部分が骨盤で、緑色は途中で切れていますが大腿骨になります。Aのアニメーションは骨盤の位置がほとんど動いておらず、対してBはうねりに合わせて傾いています。黄色のラインは骨盤の中心のラインで大腿骨の振り幅がわかりやすいように表示しています。

これほど体全体の動きに差があるにもかかわらず、大腿骨の振り幅に差がないと思いませんか?見た目上、Bの方がもっと中心ラインから上下動しているように見えます。ですが、実際にはそれほどの違いはありません。

次に、太ももの動きボタンをタップしてみてください。これは1〜6コマ目のアップキックの軌跡を表しています。太ももに三角形がありますが、小学校で習ったテコの原理の支点を表しています。骨盤の方が力点、膝が作用点になります。力点と支点が近づけば近づくほど作用点を持ち上げるためのエネルギーが必要になるので、Aのようなうねりを使わないキックは脚を持ち上げるのに必要以上のエネルギーを使います。

逆にBでは、うねりが太ももの支点を膝に近い方に移動させているので、エネルギーをAほど使わずにキックができています。しかも10コマ目の蹴り上げた姿勢が「くの字」になっています。キックをAのように体の中心ラインから後ろ側での蹴るとあまり力が入りません。サッカーボールを蹴るときに体の真下のボールを蹴ってみてください。非常に蹴りにくく強く蹴る事ができない事が分かると思います。Bの10コマ目のように体の前側に(サッカーボールであればある程度前にあるボールを)蹴りだす事ができると、自然に腹筋に力が入りやすくなるのでキックをあまり意識せずとも強く打つ事ができます。

水のトンネルを進んでいく

Bのアニメーションのようなキックができるようになると、以下のアニメーションのように、体がちょうど入る程度の水の中のトンネル内に吸い込まれて行くような感覚に陥ります。日本女子トップアスリートの泳ぎでは、運動会の綱引きの中心点を合わせる時のようにうねりがキックの先まで伝わっていく事を説明しましたが、この時に体全体がうねりを作っているので、そのうねりが勝手に続いて行き吸い込まれるような感覚になるのだと考えています。

 

トップアスリートは、こんなに楽に進めるキックを打てるのですから、スピードを出そうとすれば持っている筋力を駆使してバサロキックを打つ事で途方もないスピードを得る事ができるわけです。

バサロキックを胸から打つ方法

では、実際にこのうねりを作っていきたいのですが、実は意外に簡単だったりします。それは、キックを打つ前に「背伸びをしながらお腹を出す」だけです。(ただし腰痛を持っている方にはオススメできません。)しかもスタートして1キック目をしっかりお腹を出してからおこなえば、Bのアニメーションのように太ももの中心付近に支点ができるようなうねりの伝わったキックを打つ事ができます。この1キック目が重要で、その流れでバサロキックを続けていく事ができれば、リズムに乗って楽にキックを打つ事が可能になります。

もしできるようであれば、お腹を出した後5コマ目のようにみぞおち付近を引っ込めるようにする事が出来ればより良いのですが、管理人がこのコツを掴んだ時には「背伸びをしながらお腹を出す」事だけを考えていたので、まずはそこからおこなってみていただければと思います。

「お腹を出すだけなら最初から下向きのドルフィンキックでもいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実際に練習をおこなってみて上向きの方がやりやすかったという経験を踏まえての解説になるので、下を向いてのドルフィンキックでもできない事はありません。ただ、日本は浅いプールが多いので下向きでお腹を出すキックを打つには技術が必要になります。

肩が固かったり、キックのタイミングが悪いとすぐには難しいかもしれませんが、できるようになったら、うねりはそのままで手を上下に動かさないようにして行けば、鋭いキックも打てるようになると思いますし、平泳ぎのひと掻きひと蹴りのドルフィンキックにも使えます。(今後またアニメーションで解説します。)下向きのスタートでも同じ体の動きを使ったドルフィンキックができるようになります。

管理人はターン後に楽に長くキックを打って気持ちよく浮き上がる事にハマっているので、これからもいかに楽をして遠くに浮き上がるかを極めて行きたいと思っています!^^

Youtubeでも解説させていただいております。

 

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