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バタフライ Technique

水泳 バタフライの泳ぎ方 上級者は反腰を◯◯で回避していた!

※最終更新日 2022年7月27日

バタフライを「楽に泳ぐ」事を考えるとスピードが出ないので、速く泳いでいる時のような浮力を得る事ができません。楽に泳ぐ為には体重移動のウェイトが大きく重要になり、その分深く潜って前に進むような形となってしまうので、アニメーションAのような競泳ルールでのバタフライでは腰を反る時間が長くなってしまいます。

 

バタフライが体重移動によって進む事を解説しましたが、この体重移動は別な表現をすると「水に体を押し付ける」動きでもあるわけです。入水直後から体幹(腹筋)を締めて上半身でしっかり水を押せればより推進力を増す事ができるのですが、逆にここで体幹に力が入らないと、水圧によって余計に腰が反ってしまう事になり負担がかかりますので、意識して体幹を引き締める必要がでてきます。

上級者は呼吸で腹筋を引き締める!

泳ぎの上手い人というのは、スタート直前に「大きく息を吸って」スタートします。通常、陸上で生活している時の呼吸は息を吸う時にお腹が出るのですが、水泳では大きく息を吸う事で呼吸補助筋などを働かせて肋骨を挙上し肺を膨らませ、肋骨が持ち上がる事でお腹がへこみ、腹筋(みぞおち付近)に自然に力が入るような動きをします。

肺は息を吐くと自然に縮み、吸う時は筋力が必要になるのですが、水の中で呼吸の度に筋力を使うと陸上とは違い水圧も加わるのでそれだけで疲れてしまいます。一度お風呂に浸かって試してみてください。運動中の呼吸のように、ある程度大きく吸って吐いてを繰り返すとあっという間に苦しくなります。

よって水泳上級者は、肋骨を挙上し続ける事で肺がしぼんでしまう事を防ぎ、腹筋に力が入り続けやすい「胸を張ったままの呼吸」で腰が反るのを回避しています。トップスイマーの胸板が厚い理由の1つもここにあるのではないでしょうか。

 

初級者からマスターズレベルの方であれば、腹筋に力を入れる動作としてはこれだけを覚えられれば十分で「腹筋のどの場所に力を入れて」などという細かい事は考える必要はありません。この呼吸は肺を大きく膨らましたままの状態で泳ぐので、慣れるまで時間がかかりますし、呼吸がうまくなる前からいろいろな場所の腹筋を意識するよりも、しっかりと酸素を取り込む事に集中しながら自然に腹筋を使える方がいいと管理人は考えています。

他の3種目でも呼吸で腹筋を締める!

基本的に水泳の姿勢というのは肺に空気があるので胸付近の浮力が大きいわけですが、何も考えず手足を前後に伸ばしてストリームラインを作ると足が沈みます。管理人のような中年体型ではお腹に脂肪があるので足まで浮かびますが、現役時代は蹴伸びをすると足が沈んでしまっていました。

足が沈むので、画像(A)のように腰を反って体を浮かせるわけですが、この人間的に自然な姿勢が「反腰」になってしまうわけです。意識して姿勢を正せないと、吹き出しのようなイメージでは腰は反ったままになってしまい負担がかかってきます。

ですので、バタフライだけでなく他の3種目でも「胸を張ったままの呼吸」で腹筋を引き締め、画像(B)のように(上級者の姿勢ボタンをクリックしてください)軽く前のめりの姿勢を取りながら水面に腕を近づけるようなイメージを持つようにしましょう。

 

腰痛は水泳で起こるのではない!

これは余談になりますが、皆さんは一度くらい「水泳をやっていて腰を痛めた」と聞いた事があるかもしれません。ですが、基本的に衝撃のない水泳というスポーツで腰を痛める事はほとんどありません。なぜなら、根本的な原因は「日常生活」が影響しているからです。

考えてみていただければわかると思いますが、皆さんがプールには入っている時間が2時間だとすると、泳いでいる時間は1時間程度で残りは日常生活です。週3日泳ぎに行かれたとしても、1週間に換算すると3/168時間で、日常生活のわずか1.8%に過ぎません。つまり、そう言っている人は、残りの98%を見ずに「水泳」に責任転嫁しているわけです。

日常生活で悪い姿勢を続けていると、水泳だけでなく他の運動でも腰痛になる確率が高くなるので、まずは日常生活での座る姿勢を見直してみましょう。

管理人は泳いでいる最中腹筋に力が入り続けているのですが、力を入れる意識をし続けているのではなく、どちらかというと腹筋が緩んだ時にすぐに気づけるというような感覚です。これは実は練習が終わった後の日常生活でも癖になっていて、例えばソファーに座ったり、洗濯物をたたんでいたりする時にも自然に姿勢良く座り直しています。もちろんいつも姿勢がいいわけではありませんが、悪い姿勢を続けていると腰に違和感を持つので、無意識に息を大きく吸って姿勢を正していて、これに初めて気づいた時には「あ、ここでも腹筋やってる。」と自分でも笑ってしまいました。

このように体に意識を向けられるようになると姿勢だけでなく、例えば肩こりになる前に日常生活で違和感を感じストレッチするようになるので、全身の筋肉が凝ることもほとんどありません。50歳になろうかという管理人が何千メートルも泳いでも腰痛にならず、一度もマッサージを受けた事がないわけですから説得力は大きいと思います。

ただ、自分の体が全く凝らず妻ばかりをいつもマッサージする事になるので、以前は「自分も少しは凝らないかな」と思うこともありました。ですが、体が快適に動くことは本当にありがたいことだなと日々実感しているので、最近は妻にも私のようになってもらえたらとプールに連れて行くところから始めています。

意識し続ける事はフォーム改善にも有効

このような意識は慣れるまでは大変なんですが、一度慣れてしまうと続けられるようになります。例えばストリームラインは頭を挟んでまっすく手を伸ばしますが、これも慣れてしまえば難なくできてしまいます。ですが、肘が曲がり続ける人は慣れるまで意識し続ける事ができないので「ずっと腕が曲がったまま」になってしまうわけです。

例えばフォーム練習でコーチから指摘された所を意識するとします。それが1日でできるようになったとしても、ほとんどの方は次の日も意識しなければ元の泳ぎに戻ってしまいます。最低でも2週間程度は続けてできるようにならないと元の木阿弥になってしまうわけです。

ですので、できるだけ一つの意識を続けられる癖をつけましょう。水泳はいろいろなテクニックがありますが、つまみ食いのようにテクニックを練習しても身につきません。まずは腹筋を日常生活でも意識できるようにする。これを続けていく事で、効率よくフォーム矯正ができるようなルーティンを体に覚え込ませましょう!

Youtubeでも解説させていただいております。