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バタフライ Technique

バタフライ リカバリー「スッ」と腕を抜く方法

※最終更新日 2021年12月2日

3. フィニッシュで最後まで掻き切らない

楽にリカバリーする事を考えると、最後までしっかり掻きすぎると腕を前に戻す距離が長くなるので、短いストロークで如何にスピードを落とさないかが重要になります。

そこで大切になってくるのがフィニッシュ付近で外側に広げていくスカーリング技術になります。スカーリングについて少し解説すると、以下のアニメーションのように手に角度をつけてスライドさせることで水を後ろに押して行き推進力を得る動きになります。

 

アニメーションAのように角度をつければ大きな推進力を得られますが力が必要となり、アニメーションBのように角度が浅ければあまり力は必要なく、水を切るような形になったとしてもある程度進む事ができます。

以前、自転車で止まっているところからペダルを漕ぐと大きな力がいるが、スピードが出ているとペダルに力を入れなくてもスピードを保てる事を解説しましたが、前回記事の「グ〜ンと進むうねりを身につける」でスピードを持続することができていれば、バタフライのフィニッシュでアニメーションB程度のスカーリングでも体を進ませる事ができると考えています。またフィニッシュ時、皆さんは第2キックを打たれると思うので、フィニッシュ+キックの勢いも使えます。

管理人は平泳ぎのスタート(1掻き1蹴り)と同じタイミングでキックを打ってからストロークしますが、このタイミングで打ったほうがキャッチで水を掴みやすいのでそうしています。ですが、ほとんどのコーチはフィニッシュと同時にキックというタイミングを教えると思います。人それぞれ合うタイミングがあるので管理人のタイミングが正解であるわけではありません。実際、管理人も速く泳ぐ時にはフィニッシュと同時にキックを打って泳ぎます。

フィニッシュのスカーリングは以下のアニメーションのような形で行います。左右にと言うよりは斜め後ろ側に水面に向かって手を斜めにスライドしていきます。

 

トップの選手の中にストロークを真っ直ぐに掻く選手がいますが、フィニッシュの際は真後ろに押すのではなくスカーリングを使います。その時も「水を押し切る」というよりは「水を横に切る」動作に近いので力を使わずに腕を水面上に抜く事ができ推進力を得ながらその勢いだけを使ってリカバリーする事ができるわけです。

この技術が使えるようになってくると、フィニッシュとリカバリーで腕が疲れなくなるので、飛躍的に泳げる距離を伸ばすことができます。

管理人の場合、4回ドルフィンで浮き上がり、5〜6ストロークで25mを22〜25秒で泳ぎ続けていますが、この時の水の感覚が非常に気持ち良くいつまでも泳いでいたくなります。

是非皆さんも管理人の感じている水の気持ちよさとマッサージ効果を味わって頂きたいと思います。

4. 「スッ」抜くために最も大切な体の動き

競泳ルールで1000m泳いでみた」では今回解説した肘を水面に上げる方法を管理人は使っていません。

腕はほとんど最初から最後まで伸びています。なぜなら体がしっかりと持ち上がっているので肘を曲げる必要がないからです。

ただ、肘を曲げれば、ゆっくりでもストロークに力が伝わりやすいですし、少し体が沈んでいても手を抜きやすくなるので、初級者、中級者の方にぜひ習得してもらいたいストロークの形です。

腕を上手に抜く為には体の動きが重要になってきます。入水し、体重移動後に体を水平にすると、肺の空気の浮力で自然に浮いてきます。スピードに乗りながら体が浮いてくるタイミングを見計らって軽くストロークするだけで自然に泳ぎを繋げて行くことができます。

無理に体を反って次のストロークに向かうのではなく、体を真っ直ぐにして抵抗をなくし、自然に浮き上がるのを待ちましょう。

このタイミングで泳ぐ事はなかなか難しい訳ですが、一度覚える事ができれば数年休んでいても同じ泳ぎができやすくなります。逆に力ずくで泳いでいる方は休んでしまえば筋力が落ちてしまうので、同じ泳ぎはできません。

力ずくの泳ぎより、体重移動、浮力をタイミングよく使ったバタフライは確実に綺麗です。

皆さんにも自然の力をうまく使った綺麗なバタフライを身につけていただければと思います。

Youtubeでも解説させていただいております。