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水泳 クロール 自粛明け用ドリルと気を付けるべき注意点

※最終更新日 2020年6月5日

今回は、クロールの自粛明けにおこないたいドリルと注意点を解説していきたいと思います。

どうしても、休み明けというのは「泳げる嬉しさ」や「以前の体力を取り戻そう」といつも以上に練習の負荷を上げてしまいがちです。いきなりダッシュを始めたりすると、この数ヶ月で肩の可動範囲は小さくなってしまっているので怪我の危険性が高くなってきます。以下の記事でも整形外科の先生が注意喚起していますのでご覧いただければと思います。

自粛明けのスポーツ再開時 急に運動量を増やさないで(大関信武 整形外科医)

グライドとフィニッシュで手を止める

基本的にドリル練習は「スイムに繋げるための部分練習。」ですので、ドリルだけを続けるのではなく、スイムをおこないながらのドリル練習(スイム7:ドリル3程度)でこの3点に気をつけながら行っていただければと思います。

・低速での姿勢の維持
・体全体の力みを確認
・肩の柔軟性の向上

以下のアニメーションを見てください。今回紹介するドリルは、グライドとフィニッシュ地点で一旦手を止めるだけの、それ程難しいドリルではありません。この一つに絞って先程の注意点に気をつけてみましょう。

 

低速での姿勢の維持

低速といってもあまりに遅ければ力んでしまうので、一番リラックスして泳げるスピードで泳いで行きます。姿勢を維持するために腹筋に力を入れる事を以前から解説させていただいていますが、以下の動画のようにスイムで体がくの字なるような意識で泳いでいただければと思います。

泳ぎのうまい人は、くの字の姿勢でストロークをする方が力が入りやすいことを知っていて、その過程で腹筋にも力が入り姿勢が維持されるので、エネルギーを効率よく使っています。反り腰では手だけの力でストロークすることになるので、姿勢を維持するために体がくの字になるような意識で腹筋に力を入れていきましょう!

最近「お腹のどの位置に力を入れればいいですか?」と言う質問をいただいたりするのですが、そこを気にしてしまうと体全体に余計に力が入ってしまうので、動画のように腰の位置が高くなるようにだけ気をつけて行きましょう。

 

クロールの姿勢を高く維持する泳ぎ方
https://www.swimming.jp/archives/1029/

体全体の力みを確認

以下のアニメーションを見ていただき、実際に立位の状態で天井を向いていただきたいのですが、(腰痛の方は無理しないでください。)腰のあたりに負担がかかるのがわかると思います。特にBのように手をしっかり上に伸ばしながら行うと、腰にずっしりとした重い負荷がかかります。水中ですと横になって泳ぐので、更に腰に負荷がかかってしまいます。

 

プールで泳いでいる方々を見ていると「必要以上に前を向いて泳いでいる人が多いなあ。」という印象があり、管理人は指導中「できるだけ頭を下げて、上目遣いで見てください。」とアドバイスしています。「前が見えないと怖い」という方は多いと思いますが、天井に向けた指先をしっかり見るのではなく「視界に入りさえすれば」前を泳いでいる人は見えますし危険もありません。

前を向き過ぎない事でかなりの力みが取れますし、くの字の姿勢も取りやすくなるので、この機会に頭の位置も気をつけていただければと思います。

肩の柔軟性を自粛前に戻す

肩を前後にできるだけ伸ばす事ができればストロークが長く掻けるわけですが、今回のドリル練習では無理に伸ばすのではなく、以前のストローク長に戻すようなイメージで、ゆっくり前後にストレッチをするように腕を伸ばして行きましょう。(数ヶ月後にフォームが安定してきた所で、もっと前後に手を伸ばすようにしましょう。)

 

ロンドン五輪銀メダリストの鈴木聡美選手も練習再開直後に右肩を痛めてしまったとSNSで近況報告しています。(現在は完治。)

特にスポーツクラブなどに通っている大人の方は無理をせず、第2波でまたプールに入れなくなる可能性も考えながら(満員電車を見ていると数日後が本当に怖いです。)、自粛明け1ヶ月程度はフォーム練習に費やしていただいた方が、その後の練習を怪我なく効率的に行う事ができるようになると思います。

Youtubeでも解説させていただいております。

 

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