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クロール 姿勢を高く維持する泳ぎ方

※最終更新日 2021年4月18日

クロールの姿勢を高く維持する泳ぎ方

クロールのキックが沈むのは姿勢が原因」では入水後に上半身を沈め腕を前方に伸ばした時に、背中に伸びを感じることができれば腰を持ち上げることができるという解説をおこないましたたが、実はその持ち上がった腰を利用してそのボディーポジションを高いまま維持する事ができます。

今回は「姿勢」についてもう少し深く掘り下げ、実際に練習する際に気をつける点についても解説していきたいと思います。

上記は理想の2ビートクロールですが、12コマ目でダウンキックが終了し、そこから腰が上がり始めます。左手のストロークが始まり13〜17コマで水を押さえ18コマ目でキャッチしていますが13コマからの押さえの時点で「前のめりになった体全体を押さえによって支えている」事で、この時点からボディーポジションを高い位置で保つ事が可能です。もともと腰が高い位置にあって肺に空気があるので、それほど押さえの力は必要ありません。

19コマ目から23コマ目のローリングする際に、上級者はみぞおちを引くように腹筋に力を入れます。管理人個人の感覚としては、みぞおち付近を引っ込める感覚が大きく、腹筋に力を入れている感覚はあまりありません。(こういう姿勢をとるには腹筋は必要不可欠なので力が全く入っていないという訳ではないと思います。)また違った表現をすると、前にある水を懐を深くしてローリングで体を入れ替えながら乗り越えるような感覚があります。この「乗り越える」感覚の際にもボディーポジションが高く保たれます。

また、この時に水がお腹の下を一直線に流れるので浮力を受ける事ができます。「ローリングはまず1軸から!」で解説した浮く感覚はこの姿勢とスピードによってもたらされると考えています。

水を乗り越える感覚はバタフライのうねりにも似ており、泳ぎのテクニックというのは全ての種目に部分的に活きているので、指導者は4種目を段階的に教えながら、1つ1つの種目のレベルアップを目指していくわけです。

ただ、初級者までは胸を張って泳がなければ大きいローリングをする事が難しくなるので、抵抗は多くても大きいストロークを体に染み込ませる事が先決です。大きいストロークが疲れても維持できる=胸を張り続ける事ができるようになってくると、その上で背中も伸びる場所が現れるという事です。つまり、以下の画像のように、右肩と左肩はいつも目一杯離れている事が理想です。(水泳選手が肩幅が広い理由がわかりますよね。^^)

肩が大きな円を描くためには当然の動きなんですが、練習後半の疲れた時でもずっと大きく動かし続ける事は中上級者でもなかなか難しいものです。選手経験者は、疲れた時こそ大きな泳ぎを持続しなければスピードを維持できない事が分かってるので、最後の最後タッチまで疲れても力まないように大きく回す事を考えながら泳ぎます。

一般の方で「綺麗に泳ぎたい」「速く泳ぎたい」という気持ちを持っている方は、この「大きく回し維持する」事をまず意識してください。それができない状態でこの記事の「姿勢を維持する」にチャレンジしてもあまり効果は望めません。正直、大きく腕を回す事でさえ他に意識しなければならない事があったりするとすぐに忘れてしまったり、覚えていても他への意識が大きな円を小さな円に変えてしまいます。大きな泳ぎを持続するためには、定期的に指導者に確認していただく事が重要です。

姿勢も段階的に習得

今回は腰の位置が高い状態を作れると高いボディーポジションを維持しやすくなる事を解説させていただきました。本来であれば上級者向きの内容なのですが、姿勢にも上達レベルによって段階的な習得技術がある事を知っていただくため、あえて全ての方向けに記事を書かせていただきました。

下記おすすめ記事のクロールのキックが沈むのは姿勢が原因で解説した「大げさな姿勢」と「大きなストローク」を維持できるようになりましたら、体全体を常時高い位置に保つこの技術にチャレンジしてみてください。

次回は「押さえ」についてです。記事内にさらっと書きましたが、かなり奥が深いので個別に解説させて頂こうと思います。

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