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バタフライ Technique

大人水泳(1.何のために泳ぎますか?)

※最終更新日 2020年11月14日


– 1000mバタフライを泳いでも息が切れない泳ぎの極意 –

私は泳ぐのが好きです。では皆さんはなぜ泳ぐんでしょうか。私は「力を使わずに進み、水に包まれる(体に水が流れる)感覚が好きだから」です。昔はスピードを上げて泳ぐ事が好きでしたが、最近ではもっぱら長い距離をゆったりと大きなストロークで泳いでいます。

運動というと「頑張らなければならない」という先入観をお持ちの方は非常に多いですが、血液循環が良くなる程度の「心地よい疲れ」で終えると、水によるマッサージ効果やヒーリング効果もあって睡眠の質が格段に上がるので、結果的に生活の質も上がっていきます。日頃プールで泳いでいると、息を切らしながら泳がれている方が多く見られるので、そういう方々にも気持ち良く泳ぐコツを知っていただければと思います。

大きく泳ぐメリット

大きく泳ぐ事はとても気持ちいいのですが、水の中というのは支えがないので陸上と同じように伸びようとすればするほど、軸がブレて蛇行する泳ぎになってしまいます。ですが、コツさえつかんでしまえば、ブレを抑えた泳ぎができるようになっていきますし、この泳ぎを長期間おこなう事で次のようなメリットに繋がっていきます。

・筋肉の柔軟性が増し、水泳に必要な筋肉、筋力が付いていく。(泳ぐだけでストレッチ効果が得られる)
・関節の柔軟性が増す事で可動域が大きくなり、ストロークの距離を長くできる。(怪我をしにくくなる。)
・軸がブレない体幹を常に意識した泳ぎが可能になる。(日常生活でも姿勢が良くなる。)
・筋肉、関節の柔軟性が向上するので、速く泳いだ時でもストローク長が維持できる。

テレビ等で競泳が放映された際に選手の筋肉を見てみてください。弾力があるとても柔らかい筋肉をしているのがわかると思います。逆に一般の大人の方(特に男性)は筋肉も関節も固い場合が多く、大きく泳がなければ固いままでそれ以上ストロークも伸びません。筋肉が硬いということは、それだけ姿勢を悪くする原因にもなり、肩こりや腰痛の原因につながります。

ブレをなくす泳ぎさえマスターする事ができれば、水中で無理なく柔軟性を増す事でのストレッチ効果や全身の凝りをほぐすマッサージ効果、体幹(腹筋)を意識することで腰痛の予防と日常生活の姿勢改善に寄与するので「水の恩恵を最大限に活かすことによる長期的なメリット」はとても大きいと考えています。(管理人は現役引退後、46歳(2019年現在)まで美容室以外でマッサージを受けた事がありません。)

他にも疲労を感じない程度の運動をする事で以下のような効果をあげる事ができます。こんなスポーツは水泳以外ないのではないでしょうか。

・水圧で腹式呼吸ができるようになる。
・姿勢が良くなる。
・体全体の関節を緩める事ができる。(Re-Bone)
・水流でのマッサージ効果が期待できる。
・水圧による血流の増進や新陳代謝向上による脂肪燃焼が期待できる。
・水中にいることで自律神経のバランスを整え、リラックス効果を得られる。
・睡眠の質があがる。

水泳で得られる効果はどんなもの?より健康的なを体を手に入れよう
(株式会社グリコ POWER PRODUCTION MAGAZINE)

大人水泳

Swimming.jpでは、そのようなゆったりと大きなストロークで泳ぐ事を「大人水泳」とし、それをマスターするための重要な要素5つを解説していきたいと考えています。

1.前面抵抗を減らす
2.重力、浮力を最大限に使う
3.身体の動きの連動
4.最小限の力で進む
5.選手との違いを理解する(速く泳ぐ場合も同様)

これらを極めていく事で、以下のようにバタフライを1000m泳いでも、息切れのない泳ぎをマスターする事ができ、心拍数を上げすぎないエアロビックな健康志向の運動を気持ち良く行えるようになります。

この泳ぎは選手経験者あればそれ程苦労なく習得できると思っているので、まずは指導者からできるようになれば理想的ではないかと思います。いくら簡単に動画で泳法解説が見られるようになっても、実際に泳いでいるところを間近で見て頂く事以上の教材はないと思いますので。

実際には管理人の周りには1000mバタフライができる方を見た事はないのですが、「バタフライ 1000m」でググってみると、いらっしゃいました。1日で10000mをバタフライで泳がれた方が。バタフライの長距離を泳げるまでが私と酷似していて、とても親近感が湧きました。

千葉隆礼さん主宰のスイミング
水泳 個人レッスン・グループレッスン 京都・滋賀
※許可をいただいて掲載しております。

もし1000m以上バタフライを泳げるという方で掲載しても構わないという方はYoutube動画や1000mを泳いだ時の日記(ブログ)のURLを添えてSwimming.jpまでご連絡頂ければと思います。

今でもプールに行くと、大会などに出ていないであろう方がいきなりダッシュを始めるのを多く見かけます。これなら確かにカロリー消費は大きくなりそうですが、非常に疲れが残りやすく怪我の危険もでてくるので、健康的な運動として長く続けて行くことが困難となる可能性も出てきます。

特に初心者の方はストロークの初めから力を入れすぎてしまいがちなので(詳細は「最小限の力で進む」にて掲載)、肩を痛めないような泳ぎをマスターして頂く事が大切になってきます。競泳志向の方にもこの泳ぎはとても役に立つ泳ぎとなると考えているので、ぜひ長く楽しく楽な大人水泳をマスターして、水に癒されるスイミングライフを送っていただければと思います。

以前にアップした1000mバタフライのコメントに「体力がすごい」と言うように書かれていますが、週一で息が切れない程度に泳いでいるオジさんに体力などあるわけがありません。仕事中はほぼ動かないので不快感(運動中との血流の差がありすぎるせいでだるさ)を感じる事もしばしばです。身長177cm、体重85kg(BMI 27.13)、腹囲90cm。いわゆるメタボです。

そういう人間でもバタフライでこれだけ泳ぎ続ける事ができるということは「体力はそれほど必要ではない」という事です。上記5つをフル稼働して翌日に疲れを残さない泳ぎを作り上げて行きましょう!→管理人の日々の練習日記はこちら

では次回からこの5つについて最も長く泳ぐ事が難しいバタフライを例に詳しく解説していきたいと思います。

大人水泳関連リンク

大人水泳 (1.何のために泳ぎますか?)
大人水泳 (2.前面抵抗を減らす)
大人水泳 (3.重力・浮力を最大限に使う。)
大人水泳 (4.体の動きの連動)
大人水泳 (5.最小限の力で進む)
大人水泳 (6.選手との違いを理解する[速く泳ぐ場合も同様])
大人水泳 (7.水泳というスポーツとは?)