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水泳初心者必見!肩の怪我を防ぐ背泳ぎ・クロールのストローク方法!

※最終更新日 2023年7月30日

水泳を始めると、肩の痛みに悩まされる事があります。その原因となる動きを極力減らすため、管理人は長い距離を泳いでいます。そうすることで、外側の大きい筋肉だけでなく、内側のインナーマッスルを刺激し鍛え、柔軟性を持たせることで、怪我の予防に繋げる事ができると考えています。

今回は、30年以上の指導経験から、一般の方が怪我しやすいストロークの形について解説して行きたいと思います。

1. 目指すのは競泳?

水泳を始める理由として「運動不足解消」や「体力をつけたい」という理由が多くを占めると感じていますが、プールで綺麗に泳いでいる人を見れば、「やるからには綺麗に泳ぎたい。」「速く泳げるようになりたい。」と当初の目標が希薄になってしまいます。

別にこれは悪い事ではなく、指導者としても嬉しい事でして、「ぜひ綺麗に速く泳げるようになって欲しい。」と指導者誰もが思っているところです。

ただ、速く泳ごうとすると、いくら全身運動といっても一部分に大きな負荷がかかってしまうため、怪我をしやすくなってしまいますので注意が必要です。

2. 怪我のしやすいストロークとは?

今回は怪我が多い動きの一つである「掻き始め」に絞って解説して行きたいと思います。

水泳は、後方に水を押して進みます。ですので、できるだけ腕を前に伸ばして、そこから水を掴んだ方が効率がいいのは誰もが理解できるところだと思います。この腕が最も前に伸びている状態から「掻き始める時の腕の形とスピード」が問題になってきます。

アニメーションを見てください。Aが一般の方が背泳ぎを覚える際に「ほどんどの方がそうなってしまう」というストロークのタイミングで、Bがアスリートの泳ぎです。

怪我をしないためには、アニメBのように肩の少し上のライン(9コマ目、21コマ目)までは進んでいるスピードに合わせて水をつかむ形を作ります。自分が進んでいるスピードに合わせて腕が動く訳ですから、肩に負担がかかりません。逆にアニメAは腕が一番前に伸びた所から自分が進んでいるスピード以上に速くストロークするため、肩や肘への負担が大きくなります。このように、手が最も前に伸びた場所から、急に水を後ろに押そうとしてしまうと、「指先から肩まで力が入りすぎた状態」が長く続いてしまうので、エネルギーも余計に使ってしまいます。

この動きはクロールも同じで、アニメBは入水後に腕を前に伸ばすグライド動作の後、9コマ目、21コマ目まで、水を掻くと言うより包み込むような動作になっているのが分かります。片側のストロークで体が前に進んでいる時は前に伸ばしている腕は少し体が進スピードが落ちるのを待ってから掻き始めています。(右腕の22〜5コマ目、左腕の9〜17コマ目)

この動きができるようになる前にスピードを上げて泳いでしまうと肩を痛める原因になりやすいと感じています。大会出場を目指していきなり練習を頑張り過ぎて肩を痛めてしまうという方をよく見てきましたので皆さんも気をつけていただければと思います。

ただ、指導者が習得過程で必要だと考えれば、スピードを上げるアドバイスをする事もありますが、そのアドバイスはスタートのスピードを上げて持続させたいというのが目的になります。

3. 長い距離を泳ぐ利点

いつも25mや50mの距離だけを泳いでいる方が、長い距離を泳ごうとすると、まず入水後に腕を前に伸ばし続ける事が難しい事に気付きます。水泳はできるだけ前から後ろに大きくストロークする事が重要ですが、日頃から陸上で腕を天井に伸ばし続けている人はいませんから、伸ばせないのは当然です。

日常で肩を上げない事で筋肉が固くなったり動きにくくなっているのだとすれば、水泳で可動域を広げる事ができればとても健康的です。そこから、ストロークするわけですから、適度な刺激を与えてあげる事で肩関節の内側に働きかける事ができ、インナーマッスルも鍛える事が可能になります。

このインナーマッスルを鍛える事をせず、外側の大きい筋肉だけでスピードを上げようとして肩を痛める方も多いと感じていて、実際に管理人も30代の頃にあまり練習せず大会に出場していた為に左肩を痛め、5年程その痛みに悩まされた事があります。

今は長距離練習と3年以上続けているストレッチのおかげで、肩の痛みや違和感は一切ありません。せっかく始めた水泳で肩を痛めたくはありませんよね。ぜひ長い距離を泳げるようになって、ご自身の体のケアに繋げていただければと思います。

今後は、長く泳ぐための練習方法と長く泳ぐ上での注意点なども解説できればと考えております。

4. 管理人との練習会募集

8月より、第一弾として平日(月一回程度)の5時半より管理人と一緒に練習していただける方を募集したいと思います。長距離を続けて泳ぐ必要はありません。ご自身のペースで好きな種目で泳いでいただく練習会になります。

管理人がいつもおこなっている練習内容はSWAVE(日記)に掲載しております。あくまで練習会ですので指導はありません。見学だけでも構いませんので、皆さんの参加をお待ちいたしております。

管理人の水泳日記
https://www.swimming.jp/coach/diary/?l=1872

申し込みはこちらから
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5. まとめ

今回は水泳で肩の負担を軽減するストローク方法について解説させていただきました。

ストロークを始める時にはいきなり動かすのではなく、「進んでいるスピードに合わせ、できるだけ遠くの水を掴む形を作る」事が重要です。

手を前に伸ばすというよりは「肩を前に押し出す時間を長くします。」初めのうちはすぐに疲れてしまうかもしれませんが、続けていると必ず前に伸ばすのが楽になって行きます。管理人もストレッチを2年おこなってやっと手応えが出てきたように、筋肉を伸ばす動作はできるようになるまでは数ヶ月、練習回数が少なければ年単位での時間が必要です。

いつも同じ事を言うようですが、根気よく続けていただければと思います。

Youtubeでも解説させていただいております。