Swimming.jp

Swimming.jp 全種目共通 Technique

水泳 安全な飛び込みと危険な飛び込み

前回「水泳 飛び込み初心者のための練習方法」の記事をfacebookにて紹介したところ、「フラフープでの飛び込みで恐怖感が和らいで飛び込みできるようになった」という書き込みを頂き、管理人としても、道具を使った飛び込みを推奨したのですが、フラフープを使った事故も実際に起きているというコメントもいただきましたので、どういった形で道具を使うと安全に飛び込めるのかを管理人なりに考えてみました。

※Facebookにコメントをいただいた方には、今回フラフープによる事故の記事を注意喚起の為掲載する旨を直接メール(9/23)させて頂き、コメント削除についてはご自身の判断でおこなっていただくよう連絡・お願いをさせて頂きました。

1. フラフープを使った事故について

<< フラフープに飛び込み指導 小六女児 プールで頸髄損傷 >>
https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20170303-00068307

2017年の記事になりますが、事故の詳細が書かれており、フラフープを水面に浮かべてその場所に飛び込むように指導していたようです。

管理人としては、見るからに底に向かって飛び込むような形になる事がわかるので「何でこのような使い方をするの?普通に考えてあり得ない」というのが第一印象で、事故につながるイメージができない事が危険な事故を誘発するんだなという事をこの事例を見て感じた次第です。

2. 安全な飛び込み

以下のページでは飛び込みの際に実際に起こった事故を元に、頚椎損傷の仕組みと事故防止についてYoutube動画にて解説しています。

<< 水泳の事故防止~プールへの飛び込み事故を中心に~ >>
https://www.jpnsport.go.jp/anzen/tabid/1765/default.aspx#tobikomi

この中で、水面に対して30度の角度で飛び込むと頭の位置が水深1mに達するという事で、安全に飛び込むためには30度以下の角度で入水する事が推奨されています。

水泳 理想の飛び込み角度 イラスト アニメーション

また、指先が丸くならないように真っ直ぐにする事、手から骨盤までが一直線になり前傾しない事を合わせて気をつけるように解説されています。

管理人としては、上級者になって初めて高いスタート台から飛び込むのが当たり前だと思っておりましたので、いきなり高い位置からの飛び込みはしないように気をつけて頂ければと思います。一般の方が飛び込みできるプールとしては、現在の所、国際基準の競泳プールでの練習が主流で、スタート台の下からでも水面から30cm程高くなっている場合がほとんどだと思います。このようなプールでは水深が2m以上ありますので、「水泳 飛び込み初心者のための練習方法」では、国際基準の競泳プールでの練習方法として解説させていただいている事をご了承ください。

また、前回の記事で解説した通り、飛び込み初心者は恐怖感が大きいので体が丸まらないよう、できるだけ体をまっすぐにする事、入水後には体を反って水面に素早く上がれるようにするとより安全に飛び込めます。

3. 道具の使用について

フラフープなどの道具を使った指導は初心者に対して事故が起きないようにするために使うもので、水面より高い位置から飛び込む際には管理人は利用しません。

高い位置から飛び込むのは上達した段階ですし、勢いが増すのは当たり前ですので道具にぶつかって怪我をする危険もでてきます。

利用するのであれば、水面と同じ高さ、もしくはフロア台を重ねて膝が出る程度の水面下からのスタートで、頭を打たないような角度を指導者が見極めながら練習すべきです。フラフープを使う場合には、フラフープを縦にし、輪の中をくぐるように行います。

もし、以下のアニメのように水面と並行にしてしまえば角度がつくのは一目瞭然で、危険である事に気付くはずです。

竹刀のような棒を横にして飛び越えたり、くぐったりするような形の飛び込みも、棒自体をプールスティックのような柔らかいものにし、飛び込んだ時の角度が30度以下になるように気をつけることができれば、特に問題はないと感じます。

水泳 飛び込み 棒を使った飛び込み イラスト アニメーション

以下の動画のように、ある程度飛び込みに慣れた段階で指導者が腕を足先に伸ばしたりビート板を置いて水平に蹴り出せるようにしますが、こちらも何度も安全に飛び込めるようになるのを見極めてからおこなう事が重要になります。(最初からビート板に膝が当たらないように高く飛ぶのではなく、当たっていいので、徐々に軽くぶつかる程度を目指します。)

 

何の道具を使うにしても、水面に対しての入水角度を意識して30度以下の安全な角度を見極め、小学校高学年以上〜大人の場合には、できるだけ2m以上の水深があるプールて練習していただければと思います。

このように、指導前に適切な角度をきちんとイメージし、初心者の方に無理に高い位置からの飛び込みを強制しなければ、飛び込んだ際に手を前に伸ばし体を一直線にする事で腕がクッションになりプールの底に頭をぶつける事はなくなり、確実に安全な飛び込みができると管理人は考えています。

4. 最後に

現在、小中学校では授業での飛び込みは禁止、高校では段階的な指導、部活での練習は競技会のスタートが飛び込みになるので、中学校からでも段階的な指導がなされているようです。

娘の通っていたスイミングでは25m以上のテストで、水面と同じ高さからではありますが毎回飛び込んでのタイム計測をおこなっていまして、見学していても全く危険を感じませんでした。小学校4年生程度までであれば、身長も小さく飛び込む際の蹴り出しの力も弱いので水中に深く潜る事はまずありません。よって、泳げる子供に関しては10歳までに基礎的な指導する事ができれば理想的だと感じます。

小学校高学年以上から大人になると身長も大きく、飛び込んでからプールの底に到達するまでの時間も短くなり、飛び込むスピードも上がるので必ず深いプールで練習をおこなうなど、より注意が必要になります。

飛び込みに関しては色々な意見があるとは思いますが、「飛び込み危険!!飛び込み禁止!!」と度を越した拡散がおこなわれれば、中学生・高校生の競技会では飛び込みが必須であるにも関わらず、現在飛び込みが可能なプールも禁止に向かってしまい、全く飛び込みが可能なプールが存在しなくなってしまうのではないかと危惧しています。

それよりも、安全に飛び込みをおこなえる方法を指導者皆さんで広めていく事が重要だと感じています。Facebookにて「日本水泳連盟で飛び込みの段階的指導が解説されています。」とのコメントを頂き調べた所以下でご覧頂けますが、知らないという方のほうが多いのかもしれません。このような有益な情報も皆さんで拡散して行きたいですね。

スタートの段階指導(日本水泳連盟)
https://swim.or.jp/dive-step-guidance/

次回からも「水泳 飛び込みの簡単な原理」から考えられるSwimming.jp管理人なりの段階的な練習方法を解説していきたいと思います。指導者それぞれに、安全に綺麗に飛び込むための指導方法をお持ちであると思いますので、もしご教示いただけるようでしたら、お名前と共に掲載させて頂きますので、「お問い合わせ」よりご連絡いただければと思います。

関連記事 飛び込みの頭の動かし方(第2段階)

関連記事 飛び込み初心者のための練習方法

関連記事 飛び込みの簡単な原理