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Swimming.jp 全種目共通 Technique

情報過多による弊害

※最終更新日 2018年8月3日

皆さんの周りには水泳に関する情報があふれています。トップスイマーの泳ぎのテクニックなどが図解や動画を使って説明されています。

ただし、これらのアドバイスが生きるのはあくまでもある程度の記録を持っている方に限られます。例えば100mクロールを1分で泳ぐ方と2分の方では、間違いなく姿勢や力の使い方、練習量に違いがあります。またトップスイマーのテクニックは泳ぎによっても合う合わないがありますので、一概にそのテクニックを用いた際にいい泳ぎになるとは限らない事も知っておくことは重要です。

以下に簡単な例を紹介します。Aは100mを2分で泳がれる方、Bは100mを1分で泳ぐ方で姿勢がとても良くできている方とします。

この方達がもしもボディーポジションを高くしようと考えるとどんな差が生まれるでしょうか。ポジションアップボタンをクリックしてみてください。

まずAの方は胸の位置をあげようとするでしょう。それもできるだけ大きく。そうすると反作用によって足が沈みます。ボディーポジションを高くしたつもりが、逆に足が沈んで抵抗を大きくしてしまいます。

Bの方はボディーポジションを高くする際に足が沈んでは意味がない事を知っています。ですので、ほんの少しでもいいから「体全体」を持ち上げられるようにしようと考えます。

このように、100m自由形で1分で泳げない方、キックだけで50mを45秒で泳げない方はトップスイマーの泳ぎをまだ真似るべきではありません。まずは良い姿勢を完全にマスターしていきましょう。Swimming.jpでは姿勢に関するコラムは以下に掲載しています。

姿勢の作り方
腰を浮かせる(抵抗の少ない体の形を作る)為のドリル1
腰を浮かせる(抵抗の少ない体の形を作る)為のドリル2
腰を浮かせる(抵抗の少ない体の形を作る)為のドリル3
タッチは姿勢練習として最適

余談ですが、このアニメーションのA、Bそれぞれボディーポジションを上げようとした時に腹筋を使っています。Bは「タッチは姿勢練習として最適」でも示したように、「身体を沈める意識をした時の腹筋」つまり若干前のめりになりながらであるのに対し、Aは身体全体を持ち上げるのではなく、上半身だけを持ち上げようとするので、重心が後退し足が沈むような腹筋の使い方をしています。

腹筋の使い方一つとっても、いい使い方と悪い使い方があることをわかっていただきたいと思います。

また、勘のいいかたならお分かりだと思いますが、Aの方は中心線の後ろでキックしています。ラインボタンをクリックしてください。赤のラインは身体の中心軸を示していますが、Aの方は線よりも上でキックしている為に、ボディーポジションを直しても、足が水面上に出てくる可能性が高いです。(バタフライで足が出すぎてしまう方も同様です。)

姿勢を直す際の注意点を以下で掲載しています。

泳法上達のコツ
泳法上達のコツ(キック・ストローク)
泳法上達のコツ(練習間隔)

水の中では「自分自身の動き」と「頭の中でのイメージ」はトップスイマーでも完全には一致しません。このズレが大きいほど、上達の妨げになってしまいます。ビデオでご自身の泳ぎを見て、あまりのイメージとの差に愕然とするということは良くあるので、できる事ならパーソナルレッスンで基礎から教えていただき、ご自分の持つイメージとの違いをすり合わせて、徐々にイメージと動きを合わせて行く事をまずはおこないましょう。

レベルにあった練習を段階的におこなっていただく事が綺麗にそして速く泳ぐ上での近道となります。