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平泳ぎのコツ リラックスしながら大きく泳ぐ(中上級者向け)

※最終更新日 2020年3月14日

平泳ぎのコツ リラックスしながら大きく泳ぐ(中上級者向け)

平泳ぎのドリル 体重移動と高いボディポジション」では、理想のボディーポジションに近づくための解説をさせて頂きましたが、今回はそのボディーポジションを維持し続けるために管理人がおこなっている練習と気をつけたいポイントについて解説させていただきたいと思います。

体を持ち上げる技術の向上

管理人は400m個人メドレーを続けて泳ぐ事が多いのですが(練習日記はこちら)、この練習を始めたばかりの時には、2000m程度泳ぐと練習開始時のようには体が持ち上がらなくなっていました。ただ、基本的に健康増進目的であった為、気にする事なくこの練習を繰り返していると、1年程経った頃から力を入れる部分と力を抜く部分が明確に分かれ、7000m泳ぎ続けても同じように体を持ち上げられるようになりました。

長距離を泳ぐ利点は、無駄に力を使っている部分が露わになり、その無駄な力を徐々に削ぎ落として行ける所です。かといって大きく泳ぎすぎると抵抗になりますが、「体感速度(水の流れる感覚)」や「ストローク回数を少なくしていく」意識をしていると理想のフォームを作りやすくなります。また、管理人の場合は1時間に3000m程度泳ぐ事ができるので短時間で効率的に距離を稼ぐ事もでき、それ程スピードもないので(50mを平均50秒程)一般の方に迷惑もかかりにくいところもおすすめするポイントです。もし前の人に追いついても顔を上げてスカーリングをおこなって腕に負荷をかけるようにしています。

管理人は25m中、10〜12mをひと掻きひと蹴りで進み4〜5ストロークしますが、1ストロークを3m程度進めるようになるのでとても気持ちのいい水の流れと水中を進んでいく感覚が得られます。大会に出られている方は反復練習でストロークが短くなったりもするので、ゆったりと大きく長く泳ぐ事でストローク長の維持、伸展、筋肉のストレッチ効果による関節の可動域の拡大、インナーマッスル(ローテーターカフ)強化にも最適だと考えています。(インナーマッスルについては今後のバタフライ解説の中に詳細を盛り込みたいと考えています。)

注意点と陥りやすいポイント

この泳ぎで重要なポイントは何度も解説させていただいている通り「腰を反らない」事に尽きます。以下のアニメーションはAが中級者で、Bは上級者になりますが、長く泳いでもこのフォームを持続し続ける事ができる方になります。

 

Aは体が反っていますが、手を開きはじめる1〜6コマ目で少し体が持ち上がっているのがわかると思います。ここで少しでも体が持ち上がると体が反っている方は足が水面上に出てきます。陸上で腹ばいの状態で背中を反ると足も同時に持ち上がってしまうのと同じ動きがドルフィンを誘発してしまいます。

詳しく解説すると非常に長くなるので、詳細は割愛しますが、反った反動で足が上がり、その反動が反動を呼び足が下がってしまうので、意外に本人もこのドルフィンを打っている事に気付かない場合もあります。

アニメーション右上の「Aのイメージ」ボタンをクリックしてみてください。Aの方は、水色の姿勢のイメージで泳いでいるので、体を反った時に足が水面に出ているとは思っておらず、または足が水面に出ている事は感じているかもしれませんが、なぜそうなるのかがわからないまま泳がれています。

人間は手足を大きく開く時は体が反りやすく、開いた手足を体の中心に向かって動かすと体をくの字にしやすいので、この特性を活かしてストロークが内側に向かって動く「インスイープ」で体を持ち上げるようにしましょう。

また、Bのアニメーションを見ると足先の位置があまり変わらない事がわかると思います。ゆったり大きく泳ぐ際には上半身だけを沈めるようにする事で、胸に溜めている空気が浮力となって浮き上がってくるので、体全体が水平になる時にインスイープを開始する事が、タイミングよく体を持ち上げられるようにできるポイントになります。

ひと掻きひと蹴りでも体が浮いてこないように前のめりの姿勢をとり続けると思いますが、それと同じ姿勢をスイム時も作っていただく事で、統一された意識を持つ事ができるようになります。

スピードに比例して上半身は浅くなる

以下のアニメーションのBのような泳ぎからB’,B”とスピードが上がっていけば行くほど水平な泳ぎに近づき、「ストリームライン」ボタンを押していただくとわかる通り水に潜る深さが徐々に浅くなっていくのがお分かりになると思います。このように、スピードに関わらずグライド時は体をできるだけ一直線に保つ事が効率的であると管理人は考えています。

 

もし体が反ってしまう場合には前回記事のドルブレ同様、以下のアニメーションのようにキックを斜め下方に打ち下ろしたまま、その位置に留めておくような意識持って泳ぎましょう。それでも勝手に足が持ち上がってきてしまいますので、このくらいの意識をもってようやくストリームラインを一直線にする事が出来るという事を知っていただければと思います。

 

水の中では自分自身のイメージと体の動きは合致しない事が往々にしてあるので、それを逆手にとって理想のフォームに近づけて行く事も一つの手段になります。

また、こちらも何度も解説させていただいていますが、体幹をくの字に意識する事は、他の泳ぎでも反り腰になる事を防ぎ(腰痛予防)、日常生活の姿勢改善にも役立ちます。

Youtubeでも解説させていただいております。

 

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