東京マラソン当日は4時45分起床。例によってあまり眠れず、前日に泳いで疲れて寝る作戦は見事に不発に終わった。朝食は前夜の残りのミートソース。さすがに油が重く、マラソン前の朝食としてはやや攻めすぎた選択だったかもしれない。
前日までに準備の大半は終えていたが、当日はテーピングや股ずれ防止フィルム、アミノバイタルジェル、防水携帯ケースなどを最終装備。爪にダメージを受けやすい左足の指や、数日前に擦りむいた小指まで丁寧にテーピングし、足元の守備は万全に整えた。
電車では、普段はなかなか眠れないのに珍しく熟睡。都内に近づくにつれて半袖短パンのランナーが増えていき、徐々に高まる大会の空気に胸が躍る。ただし表面上はあくまで冷静を装う。こういう時ほど平常心が大切…ということにしておく。
会場には早めに到着。試供品のポカリやアミノバイタルをいただき、着替えと荷物預けを済ませる。100円ショップの上下雨ガッパを防寒用に持参したのは大正解で、スタートまで身体が冷えることはなかった。ただし帽子を荷物に入れたまま預けてしまったのは小さなミス。完璧な準備というものは、なかなか難しい。
スタート直後はやはり混雑。無理に抜こうとはせず、東京の街並みを楽しみながら淡々と進む。天気はこれ以上ないほどの快晴。ただ、その分「これでタイムが出なかったら…」というプレッシャーも静かにのしかかる。身体は少し重め。9kmで最初のジェルを補給し、様子を見ながら進む。
20kmに近づく頃には、普段のロング走よりも疲労感が大きい気がしてきた。「このまま最後まで持つのか?」と内心で自問。給水はすべて取り、暑くなる前に身体にもかけて冷却する作戦。ただ、ビルの間を走る区間は思いのほか寒く、これは少々想定外だった。
蔵前橋付近からは日差しが一気に強くなる。ハーフ付近では3時間半ペーサーの集団と重なり給水所が大混雑。ここは無理をせず、落ち着いて給水と冷却を優先。ペーサーにも無理には付かず、自分のリズムを守ることに徹する。レースは結局、自分との対話である。
35kmを過ぎると、これまで1km5分10秒を切っていたラップが少しずつ落ち始めた。ここからは脱力し、ピッチで前へ進む。以前なら1km6分でも不思議ではない感覚だったが、39kmまで5分30秒前後で粘ることができた。
そして丸の内。石畳に響く足音と、沿道からの大きな声援。ここは前回も感じたが、応援の力が背中を押してくる特別な区間だ。自然とスピードが上がり、そのままフィニッシュ。
結果は3時間44分34秒。前回から1時間56分の大幅短縮となった。
レース中、何度かトイレに寄るべきか迷う場面があった。次のトイレがどこにあるのか、どれくらい先なのかをきちんと把握していなかったのもあり、判断に少し迷ったのだ。それでも結局、一度も立ち寄ることなくゴールしていた。気がつけば5時間近く経っている。どうやら走っている最中の身体というのは、こちらが思っている以上に律儀に働いてくれるものらしい。
ゴール後は、これまで何度もロング走をしてきたおかげか、思ったほど脚にはダメージがない。荷物預かりのボランティアの方々がとても優しく、笑顔で完走を労ってくれる。東京マラソンはボランティアの方々の温かさも大きな魅力だと改めて感じた。
ただし帰路では少し迷走。皇居周辺で地下に潜ったり地上に出たりを繰り返し、結果として40〜50分も歩き続けてしまった。コースが横断できないことは分かっていたはずなのに、なぜ地上に出たのか。レース後の思考力は意外と当てにならない。
駅で冷たい飲み物を買おうとしたが、工事中で自販機は見当たらず。電車ではすぐ座れたものの、軽い脱水だったのか急に気分が悪くなり冷や汗が噴き出す。上着を脱ぎ、ゴールでいただいたポカリを飲んでなんとか回復。家に着く頃にはすっかり元通りだった。
昼食を取っていなかったことに気づき、妻にうどんを作ってもらう。白だしの優しい味が内臓に染みる。フルマラソン後は内臓が弱ることが多いが、今回は意外と元気だ。
そして夕方、娘とプールへ。ジャグジーに長く浸かり、ジェット水流で脚全体をマッサージ。泳いだのは500mほどだが、またジャグジーへ。これはマラソン後の回復ルーティンとしてかなり優秀かもしれない。少々反則気味だが、すでに病みつきの予感がしている。
夜は焼肉。ロング走の積み重ねのおかげか、内臓も最後まで元気だった。

