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背泳ぎの泳ぎ方(初心者・初級者向け)

背泳ぎの特徴と初級者にありがちな泳ぎ方

背泳ぎは、いつも呼吸ができるので最も楽なのでは?と感じるかもしれませんが、意外にもいつでもできることが逆に楽な呼吸を妨げる原因になっていたりします。

泳ぎの特徴として、前を見る事が出来ない、プールの底も見えない状態ですので、初めて経験する人にとっては不安や緊張が大きくなります。その状態でいきなり息をきちんと吸える方がおかしいので、腕を回し始める前に「しっかり吸えるようになる」まで時間をかけて練習する事が重要になってきます。

息を吸えないと上半身が浮かず、足も沈みやすくなります。この状態で背泳ぎをされている方が多いと感じていて、「背泳ぎは25mやっただけで疲れる」という方は息を吸う量が足りない可能性が高いと思っていただければと思います。

実は管理人の娘も背泳ぎを泳げるようになった直後、「背泳ぎはすごく疲れる」と言っていたので、あまり泳がせていませんでした。下の図を見ていただくと分かるとおり、公営プールで1000m練習している時はクロールと平泳ぎだけの練習になっています。

スイミングで一度だけ進級できなかったのが背泳ぎのキックだったのですが、「足が沈んでいたから」という理由だったので、今考えると息がしっかり吸えていなかったのだろうと確信しています。そんな娘ですが今は最も得意なのが背泳ぎです。

 

もし、呼吸が上手くできないのであれば、他のご自身が好きな種目で繰り返し水泳の呼吸法を練習し、ある程度慣れてから背泳ぎの練習をしていくのも1つの方法です。

水泳の呼吸法についてはこちらで詳しく解説しております。

 

1. 気を付けキック

背泳ぎをマスターしようとする方は大抵は既にクロールが泳げるようになっていると思いますので、ここではクロールができる事が前提で解説させていただきたいと思います。

管理人が一般の方の背泳ぎを見てきて、キックだけであればある程度綺麗にできているのに、腕を回し始めた途端、背面で浮くことに対する不安や緊張で「足に力が入り過ぎ、棒のように真っ直ぐになった足で痙攣のような細かいキックをしている方」が非常に多いのを見てきています。

以下は管理人が背面で蹴伸びをしている動画ですが、キックを打たなくても水に浮いていられる事がわかると思います。

 

背泳ぎのキックはクロールよりも大きく、ゆったりと打つようにします。息がしっかりと吸えていれば、軽くキックを打つだけで浮き続けられますし前にも進めます。将来速く泳ぎたいと思うようになった時でも、体が浮く姿勢を作っている方が抵抗も少なく確実に速く泳げるようになります。

最初は浮くところから始めていただき、10m程度を目標に軽くキックをして進めるようになりましょう。

最終的には25mを4回程度、楽にできるようになれば気をつけキックの課題をクリアした事になります。前が見えないので、気をつけながら練習してください。

 

2. グライドキック

グライドキックとは、両腕を進行方向に伸ばして手を重ねた姿勢でキックをします。この時、腕を前に伸ばすので、気を付けキックの時よりも上半身が沈むので、顔の位置も若干沈みます。その代わりに足が浮きやすくなるので、気を付けキックでいい姿勢ができていればグライドキックで足が沈む事はありません。

 

ここで気をつける点は、
A. なるべく腕を真っ直ぐに伸ばす
B. 呼吸が小さくならないようにする
C. キックが小さくならないようにする

の3点になります。Aの「なるべく」というのは、肩が固いと真っ直ぐに出来ないので、ストロークするようになった時に入水が外側に入ってしまい綺麗な背泳ぎができにくくなってしまいます。

ですが、ここで無理に真っ直ぐにしようとすれば、肩を痛めてしまう可能性もあるので、少しずつ真っ直ぐになるように、根気よく練習し続けていただければと思います。

管理人が2年間続けたストレッチや、練習前にマッサージガンを使って肩の回りを良くする方法も取り入れていただくと、より効果が高まるでしょう。


↑↑↑ バタフライだけではなく、背泳ぎにも有効である事を管理人が体感しています!

注意点としては、腕を伸ばすだけで呼吸が小さくなったり、キックの幅が小さくなったりするので、気を付けキックと同じ呼吸とキックができるようになりましょう。

この練習は25mを楽に4回以上できるようになれば課題クリアです。

>> 次ページ 「背泳ぎの泳ぎ方 3. 片手を伸ばしたキック」

3. 片手を伸ばしたキック

片手でのキックは背泳ぎのスイムに直結するため、気を付けなければならないことがグライドキックの時よりも多くなります。

この練習のポイントは、
D. リラックスする
E. 腕が内側に入らないようにする
F. 手は外側を向けない
G. 呼吸が小さくならないようにする

の4点になります。

Dは肩に力が入りすぎると肩関節を締め付けるのでスムーズな動きの妨げにならないように気をつけます。Eについては、以下のアニメーションを見ていただくとわかる通り、1コマ目は肩のラインが真っ直ぐになっていますが、腕を前後に伸ばした9コマ目では反動で斜めになってしまっています。これは背泳ぎの盲点でして、腕が内側に入りやすく蛇のようにくねくねした泳ぎになりがちです。

Fは背泳ぎの入水時に手のひらが天井を向いている状態だと楽に入水できます。ここでも、まず手の平を上に向けて伸ばしてからローリングをし、無理に外側に向けず、腕が曲がらないように肘の内側を伸ばして行きましょう。この時手首も曲がらないように、まっすぐにすることが大切です。

Gはこの練習ではバランスが悪くなるので、息をしっかり吸って腹筋を引き締め、頭から足まで体の中心に1本の串が通るイメージを持って泳ぎます。

こちらも25mを右手を伸ばして2回、左手を伸ばして2回、計4回以上楽にできれば課題クリアです。

4. 初めての腕回しはスイッチスイム

ここからは腕を回して行きますが、初めから腕を回してしまうと、以下のアニメーションのような悪いタイミングになってしまいがちです。

このようなスイムにならないように、入水側、フィニッシュ側で腕を止めバタ足をします。

そこから、気をつけ側の腕を天井に向かって上げていく(リカバリーする)のですが、少し肩を天井に向かって上げ、その後に腕を持ち上げます。この時、親指を上側にして後方に伸ばすように持ち上げます。肘は内側がストレッチのように伸び、上を向いている状態になります。

リカバリー側の腕が60度程度上がったら、ストローク側の腕を動かします。腕は大きく横に動かしますが、体が斜めにローリングしている状態になるので、体の前側を掻くようなイメージになります。ストロークが深くなり過ぎないように気を付けましょう。

リカバリー側の腕が入水し、ストローク側の腕が太ももに触れたら、その位置で腕を止めキックだけをします。ここですぐに腕を動かしてしまう方が多いので、10回以上はキックを打ってから腕を動かすようにしましょう。

腕を交互に変えながら泳ぐこの練習をスイッチスイムと呼びます。25mを泳いで30秒休み、6回以上楽に続けられれば課題クリアです。

注意点としては、腕が動くとキックが細かい動きになってしまいがちです。ストロークを止める事で速くなったキックをゆったりのキックに戻す役割も果たしているので、キックがゆったりになった事を確認してから次のストロークを始めるようにしましょう。

背泳ぎが早く上達したいと思うようになると、どうしても腕を回したくなりますが、ここで我慢できないと先程のタイミングの悪い背泳ぎになってしまいます。

「管理人は娘に泳ぎを教える時、本当に我慢をしました。」周りで泳げる子がいるとどうしても先の技術を教えたくなります。ただ、そこで我慢できたからこそ、基礎が固められて綺麗な泳ぎができるようになって行ったと確信していますので、皆さんも焦らずコツコツと練習を積み重ねてください。

>> 次ページ 「5. 背泳ぎのスイム」

5. 背泳ぎのスイム

最後は、腕をスムーズに回す段階です。ここまで来た時には、70%は背泳ぎができています。残りは「リズム良く泳げるようになる事」が5%で、残りの25%は「今までの泳ぎを如何に崩さずに泳げるか」がポイントになります。

 

5-1. リズム良く泳ぐ

基本的にこれまでの練習で泳ぎの形は完成していますので、スムーズな腕回しができるようになりましょう。

背泳ぎのリズムは、スイッチスイムで練習したように、「太もも側にある腕を親指を上に向けて挙げる(リカバリーする)」「前に伸ばした腕は、リカバリー側の腕が60度程度挙がってからストロークし始める」この2つです。

5-2. 今までの泳ぎを如何に崩さずに泳ぐか(最重要)

最後の段階では「今までの泳ぎを如何に崩さずに泳げるか」が最重要で、スイムを泳ぎ始めてからよくある例を挙げると、

① タイミングが悪くなる
② せっかく伸びていた腕が曲がってしまう
③ 入水の腕が内側に入り過ぎてくねくね泳いでしまう
④ 呼吸が浅くなり足が沈む
⑤ キックが細かく速くなる

管理人の経験上、100%誰もがこれら1つ以上に当てはまってしまい泳ぎが崩れます。綺麗に背泳ぎのスイムを泳げるようになったとしても、徐々に崩れて行ってしまいます。

だからこそ基礎が大切で、「背泳ぎのスイム」の前の項目1〜4で泳ぎが崩れない下地を作ってからスイムの練習に入りましょう。

6. まとめ

背泳ぎはスイム練習の前段階で上手くなるかならないかが決まります。

この段階までに、リラックスした状態でキックと大きい呼吸ができるようになっておく事、軸をしっかり作って、前後に腕を伸ばした時に、蛇行しないようにして行きましょう。

管理人自身、今まで指導をしてきて、背泳ぎは最も教えるのが難しいと感じる種目です。

生徒さんもクロールなら毎回泳いでも、指導の時以外であまり背泳ぎを泳がなかったり、間隔が空いてしまったりして、レッスン時の泳ぎを忘れてしまいがちです。

いい泳ぎができるようになりましたら、その泳ぎを定着させるために、何度も繰り返し泳いでいい泳ぎを維持していきましょう!

Youtubeでも解説させていただいております。

 

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