Swimming.jp

Swimming.jp 平泳ぎ Technique

平泳ぎの泳ぎ方(初心者・初級者向け)

※最終更新日 2023年2月16日

平泳ぎは他の泳法と動作が違い、足の裏でのキックだったり、ストローク(手の掻き)も水中をリカバリーする(前に戻す)ので難しいと思う方も多いと思います。

ですが、キックができれば80%は平泳ぎは完成だと思っていますので、しっかりと足の裏でキックができるようになりましょう。

初めて平泳ぎに挑戦しようと思っている方は、足首の柔らかさが大きく関係してきますので、いきなり水中で練習するのではなく、陸上で足の形、キックの動作を覚えてから水中で練習すると上達の速度が早まります!

今回の記事は、娘がスイミングで平泳ぎを習う前に、小2の2月から4回(2019年2月12日、2月27日、3月21日、3月25日)市民プールで練習しできるようになるまでの過程を掲載しています。

最終日の3/25には25mを10回泳いでも「まだ泳ぐ!」と言う位泳げていたのですが、それから綺麗な平泳ぎを泳げるようになるまで約2年半(小5の8月。選手登録前)程かかっています。

泳げるようになるのは簡単でも、選手のような綺麗な泳ぎを身につけるには時間がかかります。

今回はまず平泳ぎを25m泳げるようになるまでをイラスト、3D、動画を使って解説し、別記事で綺麗に泳げるようになるまでの練習方法を解説できたらと考えております。

 


1 平泳ぎの足の蹴り方(キックの仕方)


平泳ぎのキックは足の裏で水を後ろに蹴るのですが、人によっては足首が固く、その時点で平泳ぎのキックができにくい場合があります。ですので、水中で練習する前に陸上で「キックの形」を練習しておくと、上達の速度が早まります。

1-1 足の裏全体を着いてしゃがんでみる


平泳ぎのキックは足を引きつけた時に足首がしっかりと曲がっている事が重要です。もし足の裏全体を着いて座れない場合には、つま先を外側に向けるとある程度楽に座る事ができます。それでも難しい場合には立位の状態で足首がしっかりと曲がるように練習しましょう。

平泳ぎの足首を柔らかく

最終的にしゃがむ事ができなくても、立位でのストレッチを続けていただければ、大半の方は平泳ぎのキックができる位の柔軟性まではそれほど時間がかからずに習得できると思います。明らかにご自分で固いと認識されている方はこのストレッチをコツコツと積み重ねていっていただければと思います。

1-2 うつ伏せの状態で足の裏に雑誌等を乗せる


これも陸上での練習になりますが、足の裏に雑誌などを数冊重ねてみましょう。「数冊」というのがミソでして、この雑誌が踵側に落ちてしまう方は水中でのキックがあおり足になりやすくなります。

平泳ぎのキック引き付け

逆につま先側に落ちてしまう場合にはもう十分な柔軟性があります。雑誌が落ちずに乗ったままの状態でも十分ですが、雑誌が水平になっていると水中でのキックができやすくなります。

1-3 陸上で足の動きを覚える


十分な柔軟性があるようでしたら、次は陸上でキックの動作を練習してみましょう。陸上では足首はずっと90度以下に曲げたままを意識します。難しい場合には足首が伸びないように家族に手伝ってもらいましょう。お子さんの足首を固定する場合にはあまり強く押さえすぎないように気をつけましょう。


1-4 陸上でキック練習する上での注意点


水中ではキックが蹴り終わった後に足首を伸ばしますが、平泳ぎのキックができない人が最初から足首を伸ばしてしまうと、以下のようなあおり足になってしまう確率が高くなるので、ここではしっかりと足首を曲げ続ける意識を保てるように練習していきましょう。


2 平泳ぎ 水中でのキック練習


2-1 お一人で練習される場合


お一人で水中でのキックをマスターしようとするのであれば、まずビート板を持ってその場でプールの底を蹴って浮いてみましょう。少しの間であれば、体が水平を保つはずです。この時、もしバランスを崩したら、ビート板を離してから立ち上がりましょう。


ピート版を持って浮けるようになりましたら、1度だけ平泳ぎのキックを打って、ある程度伸びてから立ち上がります。すぐに立ち上がってしまう場合には、できるだけ蹴った後に伸び続けられるように練習を繰り返します。


この時、太腿の角度が大切で、あまり引きつけすぎると太腿が抵抗になりますし、引かなすぎると足が水面に出てしまいます。お尻側に足首を引くイメージで、足が水面に出てしまう場合には少し太腿を水中に沈めるようにして、お知り合いがいらっしゃる場合には、以下の画像くらいの角度で引き付けられているかを確認してもらいましょう。

平泳ぎ 足の引きつけ方

遅くてもいいので、最低でも3秒程キックの推進力で伸び続けられるようになってからキックの回数を増やしていきましょう。


2-2 子供に教える場合


子供に教える場合には、陸上でのキック練習ができていれば、以下の動画のようにビート板を持って浮いている子供の足首を軽く持って平泳ぎのキックの形を何度か回してあげます。

何度か回した後、子供が足を引きつけた時に「蹴って〜。」と言いながら、足を前に押し出してやります。この時、子供が蹴り出すのを待ってタイミングよく押し出してあげましょう。

 

スピードがなくなると、自然に子供は平泳ぎのキックをしようとします。そのキックがあおり足になっている場合には足首がしっかり曲げられるようにキックの形を何度も練習しましょう。

子供は基本的に陸上で足首を曲げる練習がしっかりとできていれば、よほど柔軟性がない場合を除いて、数回練習するだけで平泳ぎのキックができるようになります。実際に管理人の娘は2〜3度陸上で練習しただけでしたが、水中では1度目で平泳ぎのキックができるようになりました。

ここでは足の裏でしっかりキックが打てている事が重要ですので、以下の動画のように「足が開きすぎている」などはあまり気にしないようにしましょう。

 

泳ぎに慣れてくれば、徐々に綺麗なフォームに近づけて行けますので、とにかくできた事を褒めてあげると、子供もプールに行きたい気持ちが溢れてくるので、管理人の場合はそちらを重視して練習していました。


3 平泳ぎの手の掻き方(ストロークの仕方)


平泳ぎの手の掻きを覚える場合には、まず「呼吸ができる」事に重きを置きましょう。呼吸ができる程度に体を持ち上げられればいいのですから、あまり頑張る必要はありません。その方が体も水平に戻りやすく、水平に近い状態でキックが打てた方がより前に進みやすくなります。

ストロークを頑張り過ぎて体が立ち上がってしまうと、足が沈んでキックをしても前に進まなくなります。上級者は体を起こしても足が沈まないようなテクニックを持っているので進んでいますが、いきなり進むストロークをしながら息を吸うというのは難しいので、できる所から一つ一つ積み重ねて行きましょう。

3-1 後まで掻かない


平泳ぎの手の掻きは、この「掻き」という言葉が悪いのか、初心者の方のほとんどが「後まで掻き過ぎ」てしまいます。これは実際に娘が平泳ぎを泳げるようになった直後の動画ですが、お腹付近までストロークしてしまっているのが分かります。

 

このようなストロークだと、腕を前に戻す距離が長くなるので体を水平にするまで時間がかかりますし、水の抵抗を長く受け続ける事になってしまいます。

ポイントとしては、肘を肩より後に引かないように気をつけます。手を横に肩幅2つ分程度ゆったりと開きます。開いた所から内側に勢いをつけて戻し、この時肘を内側に折りたたみ、口の前あたりで拝むような姿勢をとります。


3-2 腕が開くまで体を持ち上げない


初心者の方は、掻き初めると同時に呼吸しようと頭を上げてしまうという事がよくあるのですが、ストロークする間、ずっと頭が高い位置にあると下半身が沈んでしまう原因になるので、できるだけ頭を上げている時間を短くすることがポイントになります。

平泳ぎ 頭の位置

画像(1)のようにストロークを肩幅2つ分程度に開くまでは頭を持ち上げないようにし、画像(2),(3)の流れで体を持ち上げ、リカバリー(手を前に戻す時)は、なるべく速く戻し体を水平にします。

平泳ぎの掻き方(ストロークの仕方)

気をつける点としては、(3)の位置で安心して止まってしまう方が多くいるので、手を止めずに前に素早く戻すようにしましょう。呼吸も同様に素早くしっかり吸えるようになる事が理想です。そうすることで足が沈んで体が立ってしまう事がなくなり、「水平姿勢の長い抵抗のない泳ぎ」ができるようになります。


4 平泳ぎのストロークとキックのタイミング


平泳ぎはストロークとキックのタイミングが重要で、手と足の動作を交互に行います。と言っても、完全に別々であるわけではありません。

先程、ストロークの解説で手を広げた後に体を持ち上げる事を解説しましたが、この体を持ち上げるタイミングと同時に足をお尻側に引きつけ始めます。

足を引きつける動作が加わると体が上がりやすくなるので、呼吸も楽になります。ただ、呼吸時に休み過ぎると足が沈んでしまうので、息を素早く吸って顎を引き、できるだけ体を水平に倒してからキックを打ちます。

この動画は平泳ぎを泳げるようになって4ヶ月後の泳ぎになりますので、まずはこのような泳ぎを目指して頑張っていきましょう!

 

もしあおり足になってしまう場合には、ゆっくりでいいので、キックの形を優先してしっかりと足の裏で蹴られるようになってから、引き付けた足を素早く蹴るように練習していきましょう!

Youtubeでも解説させていただいております。