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Swimming.jp クロール Technique

クロールに重要なローリング

※最終更新日 2022年1月31日

クロールで抵抗なく綺麗に泳ぐために欠かす事ができないのが「ローリング」です。

このローリングは誰もが教わるものであるにも関わらず、意外にも完璧にはできていない方が多いという印象を持っています。

まずは以下のアニメーションを見てください。Aが理想のローリングで、Bがよくありがちなローリングです。一番の決定的な違いはフィニッシュ後の体の動きです。

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Aは入水直前までローリングの角度が変わりませんが、Bはフィニッシュ後にすぐに体が水平に向かって動いていきます。 このような動きをされている方が非常に多く見られます。

6コマ目と18コマ目、リカバリー側の肘の位置を見てください。Aは高い位置にありますが、Bはすでに水面スレスレにあるのがわかると思います。肩の位置が高くないために入水が肘から落ちやすくなってしまっています。

B側の6,7,16,17コマ目では、腕が既に水に水没しており、水を前に押す(抵抗)原因にもなっています。

よくコーチが「肘を落とさないように!」と言いますが、肩が高く上がっている方で肘が落ちている人はほとんどいません。つまり、肩がしっかりと上がってさえいれば自然に肘も高くなり、入水を綺麗に行なう事ができます。

ローリングに気をつける際の注意点

そもそもローリングとは、リカバリー時の腕をスムーズに動かす事と、前面抵抗を減らす事という2つの理由があります。

アニメーションを見てお分かりだと思いますが、Aでは8〜11コマと20〜23の部分しかローリングの動きがありません。対してBではほぼ体が動いているのがわかると思います。フィニッシュではしっかりとローリングしているのですが、それが入水まで持続できていきません。

私がいつも気をつけているのは、入水後の肩の位置です。手が完全に前に伸びた時に肩に顎を乗せるようにしています。これを気をつけていただこうとすると、顎を肩に寄せて行こうとする方がいらっしゃいますが、顔は動かさないでください。肩の方を顎に近づけて行くような動きを意識しておこなっていただければと思います。6コマ目まで肩はほぼ動いていないのがわかると思います。(以下のゆったり綺麗なクロールを参考にしてください。)

B側のローリングですが、6コマ目、18コマ目のリカバリーで肘が落ちないように無理に肘を持ち上げてしまうと以下の画像のようにラインよりも腕が体の後ろ側に出るため、肩にかなりの負荷がかかってしまいますので注意が必要です。

良くないリカバリー

よくリカバリーの指導の際には「リカバリーの肩を高く上げましょう」と(私も)言いますが、入水側の肩の位置を下げる(深い位置で保つ)意識を持つ事も大切ですので、同時に気をつけましょう。